ぬか漬けはおいしいけれど、お手入れはうっかり忘れがち。
野菜が高くてぬか漬けをつけられないときはかき混ぜるだけでもおっくうになりますね。
そうなると起こる問題が・・・
ぬか床が真っ白~!カビ⁉
かき混ぜるのを忘れていたらぬか床が一面真っ白に。
結論からいうと、これはカビではないんです。
この記事では、
- ぬか床の表面が真っ白になる原因
- ぬか床が白くなった時の対処法
- 産膜酵母に危険性はないのか検証
の3点についてお伝えします。
ぬか床の表面が白くなって衝撃を受けている人。
白くなったぬか床をどうしていいのかわからない人。
対処法と大丈夫かどうかも検証してみたのでよかったら読んでみてくださいね。
ぬか床の表面が白くなるのはカビではなかった!
ぬか床の表面が全体的に白くなるのは、「産膜酵母」という常在菌の仕業です。
基本的には善玉菌なので、害はありません。
ビールや日本酒の発酵に使われる酵母菌や、天然発酵のパンに使われる酵母菌の仲間です。
梅干しの表面にいる白い粉もこの産膜酵母の仲間になります。
産膜酵母は糖を代謝して、アルコールや炭酸ガス、うま味の元となる脂肪酸などを作ってくれます。
なので増えすぎると、ツンと鼻をつくようなシンナー臭の原因になることもあります。
産膜酵母と危険なカビの違いは色と生え方
でも普通に見たらカビに見えるし、見分けかたがわからない・・・
そんなときは色と生え方をよく観察してみましょう。
色 | 生え方 | |
産膜酵母 | 白い | 全体的に均一 |
危険なカビ | 黒・青・緑・白などカラフル | 一部だけ・綿毛のように毛羽立っている |
ぬか床が白くなる主な原因は4つ
- かき混ぜ不足
- 塩分不足
- 温度の上がりすぎ
- 水分の増えすぎ
一番大きな理由としてあげられるのは、かき混ぜ不足です。
産膜酵母は酸素が大好きなので、かき混ぜ忘れるとぬか床の表面で繁殖し続け活動が活発化します。
さらに、ぬか漬けを作り続けていると、野菜から出た水分でぬか床は水分が増え、それにより塩分が薄まってきます。
塩分はぬか床の中の菌が繁殖しすぎるのを抑える働きがあるため、ぬか床に含まれる乳酸菌も繁殖しやすい状況になります。
乳酸菌は産膜酵母と共生関係にあるので、結果乳酸菌が増えると産膜酵母も増えやすくなるといった具合です。
そして産膜酵母が活発に繁殖すると表面に白い膜を作るというわけです。
ぬか床が真っ白になったときの対処法
表面がうっすらと一面白くなっているとき | ぬか床と一緒によく混ぜ込む |
表面が厚めに白くなっているとき | 白くなっている表面を削り取り、足しぬかをする |
表面がうっすら白くなっている場合には、しっかり混ぜ込んで上下を返してあげましょう。
ちょっと一緒に混ぜ込むのが抵抗あるな・・・
というほど白くなってしまっている場合は、風味も落ちるので表面をスプーンで削り取り足しぬかをします。
産膜酵母でびっしりのぬか床に埋まっていたきゅうりで大丈夫か検証
産膜酵母が毒でないにしても、見た目はカビみたいなもの。
「本当にぬか床は大丈夫なの?食べてお腹壊したりしない?」
こちら、産膜酵母がびっしり繁殖していたぬか床から発掘されたきゅうり。
私もお盆の帰省ですっかり忘れていて、お手入れしているときに発掘されて「お、おぅ・・・」となりました。
見た目がアレな産膜酵母でびっしりのぬか床に埋まっていたきゅうりが大丈夫かどうか、食べてみます!
まずはいつも通りスライスして一口。
「すっぱーい!!」
乳酸菌が繁殖し放題になっているだけあって、そのまま食べるにはすっぱいのでお茶漬けにします。
先日完成した梅干しと、発掘されたきゅうりに冷たいそば茶をかけて。
とってもおいしくいただけました。
食べた後も特にお腹を壊すことなく、健康そのものでした。
産膜酵母は毒じゃなかった!
ぬか床の表面が白くなってしまった時の対処法まとめ
- 原因は産膜酵母というぬか床に住む常在菌
- 薄く膜が張っているくらいなら混ぜ込んでOK
- 分厚く膜が張っているならスプーンで削り取ってぬかと塩を足しましょう
ぬか床ってお手入れを怠るとトラブルが発生して、慌てることもありますが意外と修正がききます。
なによりおいしいので、これからもがんばって続けていくつもりです。